この記事のまとめ:
- Ubuntu 64-bit環境でnvidia GeForce GTX 1060 GPUを用いてZcashをマイニングする方法をまとめています。
背景:
GPU搭載PCのOSをWindowsからUbuntuに変更したことに伴って、以前はWindows環境でEthereumのマイニングをしていましたが、このマイニング環境を構築し直すとともに、最近好調なZcashのマイニングをやってみましたので、Ubuntu上でZcashマイニング方法をまとめてみます。
Zcashとは?
Zcash(読み方:ズィーキャッシュ、通貨名:ZEC)は比較的新しい仮想通貨であり、その特徴は匿名性がビットコインよりも高いということです。
ビットコインでは誰が誰にいくら送金したかがブロックチェーンの中に記録されます。Zcashはこれらの情報が秘匿化されブロックチェーンの中に記録されます。こういった背景もあり、ブラックマーケットでの需要が高く価値を押し上げているというものあるようです。
その他の特徴はビットコインとの共通点が多く、PoW (Proof of Work)によってその信頼性を保っておりますのでマイニングも可能です。
Zcashのマイニング
Zcashのマイニングソフトウェアはいくつかありますが、私はEquihash miner for NiceHash(以下、Equihash miner)というマイニングソフトウェアを使用しました。なお、このソフトウェアの最新版はCUDA (nvidia GeForce)をメインに扱っており、過去のバージョンでAMD Radeonのサポートされているものの最新版でも使えるかどうかはわかりません。
主な手順は下記の通りです。
- Equihash minerインストールの前準備
- CUDA、Boost、CMakeのインストール
- 環境変数設定
- Equihash minerのインストール
- Equihash minerを使ったZcashのマイニング
それではひとつひとつ確認していきましょう。
実行環境
私の実行環境は下記の通りです。
- OS: Ubuntu Desktop 16.04 64-bit
- GPU: ASUS STRIX GTX1060 DC2O6G
Equihash minerインストールの前準備
Equihash minerのGitHubのページの"General instructions"に従うと、下記のソフトウェアをインストールしておく必要があります。
- CUDA SDK v8
- Boost 1.62+
- CMake v3.5
CMake以外はapt-get
でインストールができませんので手順を下記にまとめておきます。
CUDAのインストール
CUDAをインストールする前にGPUのドライバーのインストールを済ませておきます。
下記のコマンドに従って、CUDA 8.0をインストールします。なお、CUDAのインストーラーが1GB以上あるので時間がかかります。
Boostのインストール
下記のコマンドに従って、Boost 1.64をインストールします。
CMakeのインストール
CMakeは、apt-get
でインストールできるものがv3.5だったので、apt-get
でインストールします。
環境変数設定
環境変数については次回以降自動で読み込まれるように下記のコマンドで.bashrc
に追記し、読み込みます。
Equihash minerのインストール
下記の手順でEquihash minerをインストールできます。
これでインストール完了です。正しくインストールできていれば下記のコマンドでGPUを認識した表示になっていると思います。
Equihash minerを使ったZcashのマイニング
ここまで問題なく来れればあとはマイニングプールとウォレットアドレスを入力するだけです。
私はマイニングプールとしてNanopoolを使っています。 また、ウォレットアドレスはcoincheckで発行したものを使っています。なお、Zcashを取り扱っている日本の取引所は現状coincheckのみです。
実行例は下記の通りです。
簡単によく使いそうなオプションのみ記載しておきます。
-l
: マイニングプールのサーバーURL:ポート番号-u
: ウォレットアドレス等(マイニングプールごとに入力情報は異なります)-cd
: CUDAデバイスID-t
: (CPUを使う場合のみ) CPUスレッド数
マイニング状況
私の環境 (ASUS STRIX GTX 1060 DC2O6G)でのマイニング量は、平均すると220 Sol/s (電力供給量 80W(67%))程度です。 これで大体0.004 ZEC/dayのマイニング量なので3,000円/月くらいのマイニング量でしょうか。近々、Ethereumのマイニングとどっちが効率がいいのかまとめてみます。
また、電力供給量は60-80Wの間でまだまだ調整中ですがさほどパフォーマンスに影響はありません。少なくともGTX1060の最大電力供給量の120Wでの運用はマイニング電力効率が悪そうなので避けた方がよさそうです。また分析したときに記事を書くかもしれません。
参考ページ
マイニングするにあたり、下記のページを参考にさせていただきました。
今回は以上です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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